複雑になる人間関係の要因の一つは立ち位置

正社員と派遣社員

正社員と派遣社員の立ち位置に関して、正社員と派遣社員の違いを明確にしていくことでわかりやすくなります。まず正社員と派遣社員では同じ職場で働いていますが、雇用主が変わります。正社員の雇用主は勤務先の会社に雇用されていますが、派遣社員の雇用主は勤務先の会社が契約している派遣会社となります。単純に自分が登録している派遣会社が雇用主となりますが、厳密には雇用主が正社員と派遣社員で異なるため扱いに大きな違いが出る理由です。
また待遇面の違いとなるのは月給制と時給制というところもあります。正社員は給料が月給制で支給されますが、派遣社員の多くは時給制が採用されています。ボーナスなどの賞与も派遣社員はほとんど受け取るケースはありません。交通費も正社員は支給されることが多いですが、派遣社員は支給されることよりも支給されないケースが多いと言えます。有給に関しては労働基準法に準じなければならないという点からどちらも違いはなく、派遣社員も一定期間働くことで取得することができます。
全体的に考えてみるとやはり正社員の方が優遇される面が大きいですが、一つだけ派遣社員が正社員の扱いに比べてきっちりとしていることが残業代の支給に関してです。雇用主の会社が派遣社員に残業させた分は派遣会社に報告して支払わなければなりませんので、サービス残業のような形式を取ることができません。よって派遣社員は残業代に関しては正社員よりも残業した分がしっかりと支払われることがほとんどです。

正社員と派遣社員の関係

正社員と派遣社員は待遇面での違いはあっても、実際に働く内容に違いはほとんどないと言えます。正社員にしか任せていない仕事などはありますが、概ね正社員と同じような働き方が求められることがほとんどです。同じ職場で同じような働き方が求められるにも関わらず、派遣社員はよそ者のような扱いを受けることが多いです。
正社員同士は同じ会社で働いている同僚というイメージで付き合いをしますが、派遣社員とは働く期間が決まっているのでいずれいなくなる別会社の人というイメージで付き合うことが多いようです。このことからどこか連帯意識が少し薄く、部外者のような扱いを受けることがあります。派遣社員も正社員の人とは少し距離を置いて接することが多いようで、正社員は正社員同士で、派遣社員は派遣社員同士で付き合うということが多くなります。特に派遣の契約期間が短ければ短いほどこの傾向は顕著になるようです。